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第12話 鼓動

Auteur: 文月 澪
last update Date de publication: 2025-05-30 16:00:16

 泣いてる……私が?

 先輩の言葉が理解できなくて、軽いパニックを起こす。どうにか思考を戻そうとしても、上手くまとまらない。

「んー……なんていうのかな、無理してるって感じがするんだよね。本当の凜ちゃんは他にいて、心の隅っこで泣いてるの。昨日今日の仲で何言ってるんだって思うかもだけど、今の凜ちゃんってお人形みたい」

 確かに、私は母の影響もあって、王子様を演じている部分はある。だけど、そんな風に言われたのは初めてだった。

「人形……」

 その例えが重くのしかかる。

 周囲の期待に応えるのは、辛いと思う事もある。でも、誰にも嫌われない『王子様』は楽でもあった。だって演じていれば、みんなが私を構ってくれるんだから。

 一度だけ、母にスカートが穿きたいと言った事がある。その時の反応は想像以上で、ヒ

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